リーゼ・マイトナーさんの甥、オットー・フリッシュさんの自伝に出てくる科学者(74)電離層研究の父:E・アップルトンさん

▼フリッシュさんがケンブリッジ大学ジャクソニアン教授職の受託をためらった理由が偉大な人物が座っていた椅子だから。前回のデュワーさんに続いて今回はアップルトンさん。アップルトンさんは電離層の発見者。地上から発信した電波が空中で反射して遠方まで届く現象は確認され、電離層が予言されていた。アップルトンさんは二つの電離層の存在を実験で確認した。この功績で1947年にノーベル賞を受賞。
▼電離層の研究は、WWIIの時期のレーダー開発に大いに貢献した。
▼電離層を使った地震予知の研究がある。地震が発生する前、地下では地殻変動が起きている。地殻の捻じれ・圧迫・ズレ・破壊などによって電磁気が発生する。この電磁気が上空に届き、電離層に影響を及ぼす。地殻変動が発生した上空の電離層が上下変動することより、超長波の伝播状態に変化が起きる。この変化を捉えて地震予知を行うのである。地震発生のほぼ1週間前に起こる現象という。詳しくは、http://hi-seismo-em.moo.jp/profile1.html

エドワード・アップルトン Edward Appleton 1892-1965
1892年、イギリスのブラッドフォード生まれ。父は倉庫経営。
教育
ハンソン・グラマースクールで学ぶ。
1909年(17才)ブラッドフォード・カレッジで技師(1911年まで)。
1911年(19才)奨学金を得てケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジに入学。物理学を学ぶ。
1913年(21才)ケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジを優等で卒業。
活動
1914年(22才)WWI。イギリス軍の工兵隊に入隊。
1918年(26才)WWI終戦
1920年(28才)キャベンディッシュ研究所で実験物理学の助手。
1922年(30才)フリーメイソンに入る。
1924年(32才)ロンドン大学で教授(物理学、1936年まで)。電離層を発見。地表100kmの電離層ケネリー・ヘビサイド層(E層)を確認。
1926年(34才)地表200~300kmに電離層アップルトン層(F層)を確認。
1927年(35才)王立協会フェロー。
1936年(44才)ケンブリッジ大学で教授(自然科学)。
1939年(47才)WWII。政府の科学・産業研究部署で秘書官(1949年まで)。
1941年(49才)ナイトに叙せられる。
1945年(53才)WWII終戦
1947年(55才)ノーベル物理学賞受賞(上層大気の物理的研究、特にアップルトン層の発見)。
1949年(57才)エディンバラ大学で学長、副学長(1965年まで)。
1950年(58才)ロイヤル・メダル受賞。
1965年(73才)スコットランドのエジンバラで死去。

▼師匠・弟子・関係筋
師匠
■ ジョゼフ・ジョン・トムソン J. J. Thomson 1856-1940
■ アーネスト・ラザフォード Ernest Rutherford 1871-1937
弟子
□ John Ashworth Ratcliffe 1902–1987 電波物理学者。
□ Charles Oatley 1904–1996 電子工学者。
関係筋
□ 早川正士 Hayakawa Masashi 1944- 電磁気学者。

※オットー・フリッシュ著 松田文夫訳 「何と少ししか覚えていないことだろう-原子と戦争の時代を生きて-」 吉岡書店、2003年。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%B3
https://en.wikipedia.org/wiki/Edward_Victor_Appleton